The Shape of Jazz Media to come.



Shinpei Ruike RS5pb 限りなく広がるイマジネイションと生命の鼓動 類家心平 , RS5pbが放つ4年ぶりの新作『TOTEM』を語る

RS5pb
RS5pbメンバー左から、鉄井孝司(b),吉岡大輔(ds) ,類家心平(tp),中嶋錠二(p,key),田中TAK拓也(g)

トランペッター 類家心平が率いるユニットRS5pb(アールエスファイブピースバンド)が,約4年ぶりにフルアルバムをリリース。アルバムタイトルの『TOTEM』は,音楽そのものが進化し,時代や環境に影響を受けながら生まれる願いや祈りを象徴するもの。全10曲のスリリングかつ内省的な楽曲は,ジャズを基調にアバンギャルドやハードコアな要素を取り入れ,動と静,緩と急,濃と淡など様々な要素を感じさせる。国内外の音楽フリークを熱狂させる独特の音世界に込めた思いを類家本人が語った。

インタビュー/文:伊藤嘉章

なんと生命の鼓動を感じる音だろうか。唯一無二のトランペッター 類家心平の率いるRS5pbの4年ぶり4作目の『TOTEM』を聴き,その多層的な要素が耳を通して聴き手の身体,記憶,感情を覚醒させるのに驚いてしまった。アバンギャルド,ハードコア,スぺイシーなどの形容はこのバンドの音のまだ入り口だ。各々が多様な活動を行っている類家心平(tp),田中TAK拓也(g),中嶋錠二(p,key),鉄井孝司(b),吉岡大輔(ds)という格別なメンバーの動と静,緩と急,濃と淡など切れ目のない展開と一筋縄でいかない楽曲構成によって聴き手を導く自由な類家の音世界は豊かで深い。場の音を瞬時に広げるジャズ的語法の音はその抽象性が脳や身体を直感的に揺さぶる。海外にもファンが多いのはそんなストレートな魅力があるからだろう。ユニークでスリリングな作品の魅力の背景を知りたくお話を伺った。

――今作はまず一聴して響くヴィヴィッドな迫力に惹きこまれました。

類家(以下R):ライヴがメインのバンドなのでそういう迫力とか圧を入れ込めればいいなと思ってました。前作は2020年3月でコロナ禍のど真ん中。リリースライヴもキャンセルになり演奏する機会もなく,逆に表現の衝動が生まれました。以前の破壊的な表現に対し,コロナ禍では静の表現の方でした。それがコロナ明けとなり戦争が起こり,また破壊的な衝動による表現の曲もでき始め,それらがたまってきたのでアルバムにしようかと。表現のバリエーションは深まった感じがあります。

▼RS5pb<TOTEM>のミュージックビデオを見る

TOTEM
『TOTEM』(ReBornWood)