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山口ちなみがブルーノート・プレイスで「ケルン・コンサート」を披露

  • 2026年02月22日
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※山口ちなみ(p) 写真:松尾淳一郎

キース・ジャレットの『ケルン・コンサート』の再構築が話題となっているピアニスト,山口ちなみが東京・恵比寿のライブ・レストラン“ブルーノート・プレイス(BNP)”でソロ・コンサート「Respect for Jazz Giants『ザ・ケルン・コンサート』」を行った。山口のBNPへの出演は初めて。BNPのスタッフがこれまで出演を重ねてきた西麻布の霞町音楽堂での山口の演奏にほれ込み,その場で出演をオファーしたという。BNPはその構造上(もともとビアホールとして作られていて,中心部が2階まで吹き抜けとなっている),1階席から先に予約が入ることが多いが,この日は2階席まですべて満席となった。ピアノを中心にテーブル席が取り囲むステージセットで,本人も360度周囲から見られていることに緊張している,と述べていた。
演奏が始まると観客の集中度はとても高く,カトラリーの音もほとんど響いてこない。たまにグラスの氷の音が聞こえる程度である。2階席からは多くのお客さんが下をのぞき込んでいる。特筆すべきは店内に響き渡るピアノの音の素晴らしさだ。聴く場所によって聴こえる音の条件が異なるレストランという空間(特にテーブル席ではピアノの近くと壁際では音の条件はかなり違うはず)で,どの場所からもピアノの音が生音のように聴こえてくる。霞町音楽堂のような小ホールではPAを通しての演奏は考えられず,BNPではどうなるのかと思っていたが,そんな心配は無用だった。音響スタッフが事前に何度も試行錯誤し,どの席でも自然なサウンドが得られるように細かな調整を繰り返したという。貴重なBNPデビューを飾ったステージであり,山口のBNPでの再演を期待したい。(常見登志夫)