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HARGROVE a film by ELIANE HENRI エリアン・アンリ監督×海野雅威 特別インタビュー

その鮮烈なプレイで世界中のファンを魅了しながらも惜しくも49歳で急逝したトランペッター,
ロイ・ハーグローヴ。命を燃やしながらプレイを続けたその生き様を克明に綴ったドキュメンタリー映画「ロイ・ハーグローヴ 人生最後の音楽の旅」がまもなく公開される。ここではエリアン・アンリ監督とロイのグループでレギュラー・ピアニストを務めた海野雅威の二人に特別インタビューを実施,この作品とロイの人物像について踏み込んだお話を伺った。

インタビュー/文/写真:高橋慎一

HARGROVE  a film by ELIANE HENRI
【Photo by Shinichi Takahashi】

−− 大変興味深く本作を拝見しました。ライブシーンの臨場感と共に,人間・ハーグローヴに迫る生々しい臨場感が強い印象を残します。監督はなぜ,ハーグローヴとの間にあれほど親密な関係を築けたのですか。

エリアン:私とロイとの出会いは1990年に遡ります。当時17,8歳で家族と共にロス・アンゼルスで暮らしていた私は,叔母に連れられてハリウッドで行われた彼のライブを観に行ったんです。それまでも音楽好きの叔母に連れられてジャズのライブに行ってましたが,自分と同世代の若いアーティストのライブに触れたのはロイが初めてでした。それ以来,彼とは友人関係となり友情を育んできました。映画の撮影を開始したのは2016年ですが,その時点で私とロイとの間には,26年に及ぶ友人関係が構築されていたのです。