バークリー在学中のアルトサックス注目株，佐々木梨子　 小曽根真NY録音最新作への参加，ケニー・バロンや中村海斗との共演 超絶テクニックを秘め心に届く音楽を創る若き巨匠から目が離せない

※左から馬場孝喜(g)，布施音人(p)，佐々木梨子(as)，高橋陸(b)，中村海斗(ds), 2024年7月29日，柏ナーディス ©神野秀雄

文：神野秀雄

佐々木梨子に「バークリーで初めてダニー・マッキャスリンを聴いた時のような衝撃を受けました」と三木俊雄は語る。筆者も2023年音楽体験で最大の衝撃が梨子だった。小曽根真は大阪「ミスターケリーズ」で中村海斗カルテット(壷阪健登，古木佳祐)を観て梨子に出会い，2023年8月，小川晋平ときたいくにととの『トリンフィニティ』NY録音に梨子とダニーをパワーステーションへ招き〈ザ・パーク・ホッパー〉を収録。小曽根との共演によって「何より音楽の瞬発力の凄さを改めて肌で実感できました」と梨子は語る。
昨年9月全額奨学生でバークリー音楽大学パフォーマンス学科入学。テリ・リン・キャリントン，トニー・マラビー，ゴドウィン・ルイスらに学ぶ。「素晴らしい出会いに恵まれた一年。沢山のプレイヤーとの出会いで視野が広がりました。特にジョエル・ロスと演奏し，間近で音を浴び，素晴らしい楽曲を一緒にできて勉強になりました」（佐々木梨子 コメント以下同）
2024年4月19日，ケニー・バロン・クインテット デトロイト公演のメンバーに抜擢。ケニーと北川潔が海斗バンド動画の彼女に衝撃を受け，ボストンとNYで会い，デトロイトに呼んだ。「緊張を抱えリハに挑みましたが，ライブが始まると緊張感を忘れ，ただ純粋に演奏がとても楽しかった事を覚えています。様々な課題に気づくきっかけにもなり，また共演する日を信じて励みます」。

▼「ノワール」中村海斗カルテット (佐々木梨子，壷阪健登，古木佳祐) 江古田そるとぴーなつ