ジャズ喫茶巡礼「田舎でジャズ喫茶」其の九 昭和モダン珈琲 茶楽音。本店(愛知県岡崎市)
- 2025年02月27日
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※店のシンボルでもあるスピーカーJBL D44000“Paragon”。自重が約350kgあるため中田さんは設置部分の和室の床を耐荷重500kgのコンクリートに改修した。
写真/文:楠瀬克昌
「茶楽音」と書いて「ちゃらね」と読む。「お茶でも飲みながら楽しく音を聴く」というコンセプトのこの店を中田惠治さんがオープンしたのは2015年12月、66歳のときだった。サラリーマンだった惠治さんが喫茶店経営にかかわるようなったのは30代からで、のちに妻となる町子さんが名古屋市でやっていた「TIP TOP」という店を手伝うのがきっかけだった。やがて夫妻は豊田市や岡崎市でも喫茶店を手がけるようになり、愛知県内で5店舗を経営するほどの規模になる。しかし2015年に5店舗を他社に譲渡し、その後、名古屋のオーディオ専門店で出会ったのがJBLパラゴンだった。
最初にパラゴンを見かけたときは東京の購入客のもとへ運ばれていくところだったが、1カ月後に契約がキャンセルになったと連絡があり、これまでの惠治さんの労をねぎらう退職祝いとして夫妻は購入を決めた。まもなくパラゴン設置の噂を聞きつけた岡崎や遠方のジャズ仲間たちが中田さんの家にやってくるようになり、彼らの「この貴重なパラゴンを独り占めするのはもったいない」という声に説得されて、「音の世界遺産」ともいうべきJBLスピーカーの最高峰を広く楽しんでもらうためのスペースとして自宅を改装してオープンしたのがこの「茶楽音」だった。
※「茶楽音」の建屋はいわゆる古民家ではなく、1980年代に安城市の建築家が設計した数寄屋造りの日本建築。作品として建てられ、モデルハウスのように使われていたものを中田夫妻が90年代に自宅住居として購入した。
【機材】
スピーカー JBL D44000 Paragon ,B&W802 Matrix Sries3,Goodmans AXIOM 80
ターンテーブル Luxman PD444
プリアンプ Marantz Model 7
パワーアンプ 自作真空管アンプ
CDプレーヤー Esoteric X-10w, McIntosh MCD7005, S.M.S.L PL200
昭和モダン珈琲 茶楽音。本店
愛知県岡崎市向山5-20
営業時間 11:00-17:00
定休日 水、木
電話 0564-71-0001