ジャズ喫茶巡礼「田舎でジャズ喫茶」其の十 Silly Putty(岐阜県大垣市)
- 2025年03月26日
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【今回本誌ではモノクロページ掲載になります】
※店内の奥にあるオーディオ設置スペース
写真/文:楠瀬克昌
朝11時の開店まもなく,ガラスの扉越しに手を振りながら女性2人が入ってきてカウンターに腰を掛け,微笑みながらマスターの西村康さんとその妻のリカさんに挨拶をする。「日本一入りやすいジャズ・カフェ」を目指して今年1月20日にオープンした「Silly Putty(シリーパティ)」の光景だ。
通りに面した入り口側はガラス張りのために採光がよく,白を基調にした壁やたくさんの照明によって店内は明るい。「敷居が高い雰囲気にはしたくありませんでした」という西村さんだが,実はこの店舗は3年前にヴィーガン・カフェとしてオープンしたものを居抜きで前オーナーから譲渡されたものだ。前オーナー(女性)が20代から30代の女性をターゲットに内外装を設計したものだけに,男性的な雰囲気になりがちなジャズ喫茶とはまったく趣が異なる。店内の構造は,入り口から半分ほどは両側にカウンターがあり,窓のある大きな仕切りの向こうの半地下にはスピーカーなどのオーディオ機材が設置されている。これはカウンターのあるスペースは会話自由席,仕切りの奥のスペースは音楽に集中するためのリスニング席と,客層への使い分けを意図して設計されたものと勝手に推測していたのだが,実はこの構造も前オーナーが作ったものだという。「明るいジャズカフェ」というコンセプトをそのまま体現した「Silly Putty」だが,驚くことにその意匠は譲渡前のものをそのままそっくり受け継いだものだったのだ。「おかげさまで改装費用はわずかでした」と西村さん。
今年67歳になる西村さんがソフトウェア・エンジニアとして長年勤務していた会社を退職したのは1年前。本人も驚くほどの短期間で理想にかなった自分の店を開業できたのは,地元大垣市の行政のファインプレーだった。
※「Silly Putty」の外観。JR大垣駅南口から「大垣駅通り」を約10分直進して「郭町交差点」を左折してすぐのところにある
【機材】
プレーヤー Micro BL-111
トーンアーム AudioCraft AC-3000
スピーカー ウーファーAltec515B、ホーンAltec811B、ドライバー Altec 802-8D
プリメインアンプ Luxman LX38 ULTIMATE
パワーアンプ LUXMAN MQ60, LUXMAN MQ70
チャンネルデバイダー LUXMAN FL-102 ※低域をMQ-70、高域をMQ60にディバイディング
Silly Putty
岐阜県大垣市郭町3-28第一大橋ビル1階
営業時間 11:00-20:00
定休日 日、月、祝 ※4月1日から「月、火、祝」に変更
電話 070-9205-5101