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小林陽一がルーマニアのフェス,ホール公演に出演。その様子をセルフ・レポート


※ブカレスト・アテニウムの前で。モンクストリオで出演

我々が出演した赤坂“B-flat”ライブに来られたお客様が,僕たちの演奏を気に入って頂いたようで,「今度ぜひルーマニアに来てください!」と突然のオファーをいただいた。当初は不安だったものの,日本ルーマニア音楽協会の方にも,その誘っていただいたプロデューサーは信用のおける人物とのお墨付きをもらい,それならばと勢いで5月8日にルーマニアへ旅立ち,同地のフェスやホールで演奏することになった。
1日目。ブカレストから約3時間のブロショフという軽井沢の様な瀟洒な田舎町での演奏。開演30前にお客様が3人位しかいなく,あれ? これはやられたかな,と思いきや始まる5分前にはなんと150人位のお客様が来場! 今回は「小林陽一モンクストリオ」として,太田寛二(p),粟谷巧(b)でバップナンバーを披露,1曲だけ日本の香りのする僕のオリジナル〈秋田ラップ〉を演奏したがこれが受けた。最初の和太鼓ぽいアレンジは特に大受けで,最後には日本ではあまり見ないスタンディングオベーションの嵐で大いに盛り上がった。
2日目。ブロショフから車で約3.5時間かけて山を越え,ピテシュティという町では《チューリップ・ジャズ・フェスティバル》に出演。札幌位の気候で少し寒かったので,お客様は100人程度。でも熱心な現地のジャズファンによく日本から来てくれたと大歓迎して頂いた。昼の演奏後は近所のジャズクラブでのセッションに参加。シンガーさんを含め皆さん素晴らしいレベルで実に楽しいセッションだった。


※アテニウムでプレイする小林陽一

3日目。最終日はルーマニアの首都,ブカレストに移動,ルーマニアでは由緒ある素晴らしい「アテネ音楽堂(アテニウム)」での演奏だった。地元のFM局も収録に入ったが,2曲目でいきなりピアノのペダルが壊れるというハプニングがあり10分間中断。その後復活して最後は割れんばかりの拍手でCDも瞬時に売り切れとなった。まだルーマニアでは一般的にはジャズよりクラシックのほうがポピュラーだが,今回の演奏はいずれも好感触で,これから需要も増えてきそうな予感を感じた。また機会があればぜひ訪れて,ジャズで親交を深めていきたい。(小林陽一)