「ぐらもくらぶ」15周年と青木研の殿堂入りを祝う昭和歌謡とジャズの祭典
- 2025年08月25日
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※G.C.R.管絃楽団と歌い手の西本さゆり,渕上純子。左端が音楽監督の青木研(bjo)
7月13日の千葉市生涯学習センターは祝賀ムードに溢れていた。戦前の趣向に富むサウンドを音源の復刻と現役ミュージシャンの演唱を通じて立体的に提示するレーベル“ぐらもくらぶ”(代表:保利透)の発足15周年と,同レーベルの新録プロジェクト『大土蔵録音』シリーズ等の立役者のひとりである青木研の「アメリカン・バンジョー・ミュージアム」殿堂入りを共にセレブレイトしようというイベントが,この「昭和100年! ジャズバンド演奏と昭和の歌謡曲」である。
ハウス・バンドは幅広い世代のミュージシャンで構成されたG.C.R.管絃楽団が務め,音楽監督の青木はバンジョー,ギター,ペダル・スティール等で存在感を示す。ゲストは昼夜公演で若干異なっていたが,両方見れば,活動写真弁士の片岡一郎(司会も兼ねる),歌い手の山田参助や西本さゆり,渕上純子(vo)と船戸博史(b)の“ふちがみとふなと”,歌とタップダンスを披露する上の助空五郎,こぐれみわぞう(vo)&大熊ワタル(cl)のコンビ,湯浅佳代子(tb)などの演唱が次々と楽しめるのだから,これは一日居座ったほうがいい。聴きどころだらけのパフォーマンス中,よりジャズ濃度の高いものをいくつかあげるならば,湯浅とG.C.R.管絃楽団の三塚知貴が華麗なチェイスを聴かせた〈スウィンギン・オン・ア・ティーガーデンズ・ゲイト〉(ジャック・ティーガーデンのカヴァー),青木が最新リーダー・アルバムのタイトルそのままに“バンジョーの悦楽”を届けた超絶的なソロ・パフォーマンス〈世界は日の出を待っている〉,李香蘭の定番をヴィブラフォンで演奏した田中和男の日本コロムビア盤SPの空気感を現代に蘇らせた室内楽調アレンジによる〈蘇州夜曲〉(この日のヴィブラフォンは窪田想士)に触れないわけにはいくまい。戦前型のドラム(トラップセット)で多彩な音を出す川島佑介,チューバとコントラバスを兼ねる松永敦の妙技にも耳を奪われた。(原田和典)