日本を代表するジャズ・ヴィブラフォン奏者・赤松敏弘が逝去
- 2025年11月17日
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※Photo by Hiro Yamaguchi
日本を代表するジャズ・ヴィブラフォン奏者の赤松敏弘が,2025年10月7日都内の自宅で急性心不全のため逝去した。68歳だった。赤松は1957年愛媛県松山市生まれ。高校時代からジャズを始め,13歳でヴィブラフォンを独学で学び始める。その後ヴィブラフォンをゲイリー・バートンに,マリンバを安倍圭子に師事し,1989年に米バークリー音楽大学を卒業。帰国後は,自己のグループ「A-Project」を結成したほか,市川秀男,鈴木良雄,日野皓正などのトップミュージシャンのバンドで活躍した。1990年11月発売の『アンファンⅢ/フィーチャリング赤松敏弘』(ポリドール)以降,BMG,TBM,VEGAなどのレーベルから通算14枚のリーダー・アルバムをリリース。その実力は2003年度作『Still on the air』がスイングジャーナル誌のジャズディスク大賞日本ジャズ賞にノミネートされるなど,高い評価を得てきた。ジャズ以外にもOriginal Love,bird,角松敏生,鈴木雅之,村上ゆき,葉加瀬太郎といった数多くのアーティストのアルバムに参加。その豊富な経験と優れた音楽センスで日本を代表するヴィブラフォン奏者としてシーンを牽引した。2023年には自身のレーベル「AMS RECORD」を設立し,2枚組の大作『マイ・リアル・ブック〜シーズン1&2』をリリースしたばかりで,プレイヤーとしてもレーベル・オーナーとしても,今後の日本ジャズ界を担う逸材であっただけに突然の訃報が惜しまれる。心より冥福を祈りたい。