BOOK REVIEW:『ゼロから分かる!ラテン音楽入門: 聴けば聴くほど,楽しくなる』(伊藤嘉章,岡本郁生 監修 世界文化社)
- 2025年11月25日
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本誌執筆者の伊藤嘉章が共編著を務めた音楽本『ゼロから分かる!ラテン音楽入門: 聴けば聴くほど,楽しくなる』が世界文化社より刊行された。タイトルどおりのラテン音楽の“総合”入門書で,見た目はやわらかいが,中身はぎっしり。音楽はもちろん,ラテンアメリカの歴史と文化,地理までもよくわかる内容になっている。最新曲情報も含め,Spotifyプレイリスト+YouTube動画の二次元コードを記載し,「読んで」「聴いて」「観て」,楽しめるガイド本だ。「ラテンとジャズ」は本誌執筆の村井康司,「ラテンとクラシック」は藤本史昭が担当。
ラテン音楽のディスクガイドを含む書籍は日本ではここ15年以上出ていなかったが,ジャズでもラテンリズムは基本技術となり,ダニーロ・ペレス(p),ミゲル・ゼノン(as)などの音楽家を輩出している。またラテン・ミュージックは特にポップスの分野で急速に発展し,現在世界を席巻している状況も日本で初めて解説。一方,源流であるキューバやアフロカリビアン音楽と主要作品,主要曲,主要人物などの基本情報,日本の音楽とラテン,映画の中のラテン音楽,ヒップホップとラテンなどもガッチリ解説。いわば「死角なし」の解説本といえるだろう。