歴史的名盤と，その陰に隠れた名演群で紐解くマイルス・ミュージックの新たな魔力

文：原田和典

ソニーミュージック（米Columbia）のジャズ部門のキング・オブ・キングスがマイルス・デイビスであるということに疑いの余地はないところだが，それにしても一気に55点もの関連ディスクが市場に出回るとは，前代未聞の思い切りの良さではないか。録音時期は1949年から85年まで5ディケイドに及ぶので，つまりこの「We Want Jazz」シリーズはマイルスのミュージシャン歴の大半をカバーしている。どれをとってもマイルスの分身といえるアイテムであり，ジャズやマイルスの魔力に惹かれてしまった者であれば（ファン歴に関係なく），一気に買うか，少しずつ買っていくかのどちらかしか選択の余地はないはずだ。なにしろ全55点もあるのだから，1週間に1アイテムずつ楽しんでも1年以上かかる。どこから聴くか，何から聴くか，それを考えるだけでも興奮のひとときを過ごせそうだ。

▼「We Want Jazz」オフィシャルサイト
https://www.sonymusic.co.jp/PR/wewantjazz/

▼公式プレイリスト『We Want Jazz : Sampler』
https://wewantjazz.lnk.to/samplerpL2