魂が共鳴する場所。西村知恵&海野雅威「DREAMWEAVER LIVE」
- 2026年01月21日
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※終演後,あいけあ利用者とご家族,職員,ボランティアスタッフ,そして西村知恵と海野雅威による笑顔の集合写真
12月13日,川崎市国際交流センターにて,シンガーの西村知恵とピアニストの海野雅威によるデュオ・コンサート「DREAMWEAVER LIVE」が開催された。
本公演は,多機能型障害者支援施設を運営する「NPO法人あいけあ」が主催,西村知恵(株式会社 en records)が続けてきた企画である。「障害のある人と無い人が一緒にJAZZを楽しむ時間」という言葉通り,会場には施設利用者やその家族,ジャズファン,地域住民など多様な観客が約200人集まった。
会場で何より圧倒されたのは,障害を持つオーディエンスが見せた豊かな感性だ。彼らは二人の紡ぐスタンダードやクリスマスソングに合わせて声を上げ,踊り,全身で喜びを表現する。一見,演奏の妨げになるようにも思える自由な振る舞いが,不思議と不快感を感じさせない。むしろ,演奏者と観客の境界が消え,空間全体が一つの生命体のように脈動する,音楽の理想的な姿がそこにはあった。
終演後,観客のストレートな反応について二人はこう語った。
西村知恵「皆さんの感動がそのまま表情や仕草に表れ,私の方が元気をいただけます。すべての人にブルースは宿っているんです」
海野雅威「みなさんを見ていると,音楽は本当に必要としている人に実は届いていないのかもしれない,と強く思います。だから僕は自分から音楽を届けに行きたい」
ある記者の「演奏しづらくはないか」という問いにも,二人は「全くそんなことはない」と即座に否定。「寧ろ,むき出しの感情で楽しんでくれて,ありがとうという気持ちでいっぱい」と,観客への深い感謝を口にしたのが印象的だった。
ジャズは元来,自由で力強い音楽だ。この日,会場を満たした叫びや動きは,西村と海野が紡ぐ音色,歌声,躍動するリズムと見事に溶け合い,ジャズ本来のパワーを浮き彫りにしてくれた。音楽が人と人を繋ぎ,魂を揺さぶる瞬間を垣間見せてくれた素敵なコンサートだった(編集部・佐藤)