SONNY ROLLINS ART TATUM and more! ソニー・ロリンズ,アート・テイタム etc. モダン・ジャズ黄金期 ファン垂涎の未発表音源
- 2024年04月16日
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発掘王ゼブ・フェルドマンが見つけ出したモダン・ジャズ黄金期の未発表音源が,新たに計8タイトル,CDとLPで一挙リリースされた。ソニー・ロリンズのトリオによる59年ライブ音源,アート・テイタムの53年“ブルーノート”での3ステージ,キャノンボール・アダレイ・クインテットの72年オリンピア劇場公演,いずれも瑞々しい輝きを放つ,濃密で高品質な音源ばかりだ。単なる未発表音源の枠組みを越えたヒストリカルな価値を持つ圧巻のラインナップ,ここではロリンズ,テイタムの音源を中心に,その内容と聴きどころをさっそく紹介していこう。
文:岡崎正通
人気,実力ともに頂点を迎えていたロリンズの,豪放をきわめた力強く逞しいトーン
今年も4月の“レコード・ストア・デイ”に合わせて,発掘プロデューサーとして名高いゼブ・フェルドマンが掘り起こした未発表音源が大量にCDとLPでリリースされる。今回,陽を見るのは全部で8タイトルと,そのボリュームにも驚かされるが,すべてがドキュメンタルな価値をもっているアルバムばかり。それらの中でも白眉と言えるのがモダン・テナーの巨人,ソニー・ロリンズのトリオによる1959年のヨーロッパ・ツアーの模様を収めた『Freedom Weaver:The 1959 European Tour Recordings』だろう。有名な『サキソフォン・コロッサス』などを吹き込んで人気,実力ともに頂点を迎えていたロリンズは,この頃ベース,ドラムスだけを従えたピアノレス・トリオ編成に積極的なトライを試みていっていた。コード・ハーモニーを奏でる楽器を外すことによって,より自由にイマジネイションを膨らませることができると考えたのだろう。或いはシンプルな編成だからこそ,いっそうアグレッシブな即興の冒険ができると思ったのかもしれない。このときロリンズは28才!いくつかのライブやレコーディングでトリオ演奏に手応えを感じたロリンズは,59年に入るとヘンリー・グライムス(b),ピート・ラロカ(ds)を従えたトリオでヨーロッパ・ツアーを敢行。本CD3枚組(LPは4枚組)アルバムにはストックホルムから始まってスイス,オランダ,ドイツから南フランスのエクサン・プロヴァンスに至る10日間にわたる演奏が収められている。
フリーダム・ウィーバー:1959 ヨーロピアン・ツアー・レコーディングス/ソニー・ロリンズ(Resonance/King International)
ジュエルズ・イン・ザ・トレジャー・ボックス:1953 シカゴ・ブルーノート・ジャズクラブ・レコーディングス/アート・テイタム(Resonance/King International)