The Shape of Jazz Media to come.



BLUE NOTE @ 85 Remastered by Kevin Gray ケビン・グレイに訊くブルーノートサウンドの核心

BLUE NOTE @ 85 Remastered by Kevin Grey
BLUE NOTE @ 85 Remastered by Kevin Gray 第2期第2回のラインナップより

進化するブルーノート・アーカイヴ

インタビュー/文:常盤武彦

ブルーノート・レコード創立85周年を記念して, 日本独自の新たなリマスター復刻CDシリーズがスタートした。現在のブルーノートのトーン・ポエット(Tone Poet)・ヴァイナルと, クラッシック・ヴァイナル(Classic Vinyl)・シリーズのリマスターを手がけているマスタリング・エンジニア, ケビン・グレイが, オリジナル・マスターのアナログ・テープを, ヴァイナル用にリマスターした際に作成した24Bit/96kHz音源をCDフォーマットにサンプリングしたラインナップが揃う。ブルーノートの復刻では, CD化が始まった80年代からのロン・マクマスターによるデジタル・リマスター, 1999年から2007年にかけてのルディ・バン・ゲルダー自らの手による, 大幅なアップデートが施されたRVGエディション・シリーズがある。今回のグレイが手がけたヴァージョンは, テクノロジーの進化により, サウンドの解像度は上がり, 楽器間の分離も向上している。ロサンゼルスで, 自らの主宰するコヒアレント・オーディオを拠点に活躍するケビン・グレイに, 今回のリイシュー・シリーズについて訊いた。

「キャピタル・レコードの倉庫から送られてきた, バン・ゲルダーのオリジナル・マスターを聴いたときは, そのクオリティに衝撃を受けた。バン・ゲルダーの創ったスタジオでの楽器の定位が, まるでジャズ・クラブで聴いているようで, そのリアルなライヴ・サウンドは素晴らしい。今回のリマスターは, バン・ゲルダーがマスタリングとカッティングまで手がけた, オリジナル・ヴァイナルを基準にした」