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伝説のジャズ評論家 瀬川昌久さん生誕100年記念コンサート

  • 2024年07月25日
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SEGAWA MEMORIAL JAZZ ORCHESTRAのステージ
SEGAWA MEMORIAL JAZZ ORCHESTRAのステージ

戦後日本のジャズ創成期とも言える1950年代,銀行員として赴任したニュー ヨークでミュージシャンたちの躍動を直接見聞きした瀬川昌久さん。その好奇心と人柄で幅広い交友関係を築き上げ,数多くの評論や紹介記事を執筆,編集長を務めた「月刊ミュージカル」を通して,日本でジャズを志すミュージシャンやジャズ,ミュージカルのファンに多大な影響を与えた人物であることは言うまでもない。
惜しまれながら2021年に逝去された瀬川さんが健在ならば今年は生誕100年。そこで瀬川さんと親交のあった有志が中心となって開催したのがこのコンサート。ビッグバンド・ジャズをこよなく愛された瀬川さんは,日本の学生ビッグバンドも応援されてきたが,その薫陶を受けたメンバーが集まったと言えるだろう。
出演したのは毎週月曜に練習しているからこの名が付いたという社会人ビッグバンド MONDAYNIGHT JAZZ ORCHESTRA,上智・青学・立教・東大のジャズサークル,通称JARTのOBで構成するビッグバンド SEGAWA SCHOOL BIGBAND,早大ハイソサエティ・オーケストラOGの守屋純子(p)と慶大ライトミュージック・ソサエティOBの池本茂貴(tb)を中心に,第一線で活躍するメンバーが集まったSEGAWA MEMORIAL JAZZ ORCHES TRAの3バンド。
演奏の合間には,司会も務めた村井康司(上智OB),高校教師から現在シンガーのノブ中澤(立教OB),著名な医師であり,ピアニストでもある加藤総夫(東大OB),そして守屋,池本などが,色々なエピソードを交えつつ,瀬川さんにどれだけ世話になり,教えを受けたかを紹介していった。こうしたエピソードを集めれば,軽く一冊の本が出来るのではないかと思わせるほどだった。
一緒にジャズを愛した仲間たちが集ったコンサート。きっと瀬川さんもいつものようにニコニコ笑いながら,彼の地から眺めていることだろう。(渡部晋也)