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ミカ・ストルツマンとスティーブ・ガッド 〜15周年を迎える「ミカリンバ」の2024年ツアーと新アルバム

ドラムの神様スティーブ・ガッドとマリンバの世界的名手,ミカ・ストルツマンが共同プロデュースし15周年を迎える「ミカリンバ」プロジェクト。挾間美帆<マリンバ協奏曲>,キース・ジャレットやエリック・クラプトン,スティングの楽曲を含む新アルバムのニューヨーク録音と,スティーブ・ガッド,エディ・ゴメス,リチャード・ストルツマン,塩谷哲との2024年秋ツアーについてミカ・ストルツマンに話を伺った。

インタビュー/文:神野秀雄

「スティーブ・ガッドの演奏を聴くには,エリック・クラプトンかジェームス・テイラーかミカリンバへ来て欲しい」スティーブ・ガッド公式ホームページに以前そうあった。ドラムの神様も熱狂させる「ミカリンバ」は,熊本出身でボストンを拠点に活躍するミカ・ストルツマンとスティーブが共同プロデュース,ジャズとクラシックの融合を目指すプロジェクトだ。2024年3月,新アルバムをニューヨーク録音し,現在リリース準備中。2024年秋,全国でツアーを行い,熊本と大分では挾間美帆<マリンバ協奏曲>のオーケストラ世界初演も予定している。(<マリンバ協奏曲>とキース・ジャレット録音風景の動画をInstagram(@mikarimba)よりぜひご参照いただきたい)

—— ドラムの神様スティーブがプロデュースするのは極めて稀ですが,実現の経緯を教えてください。 

スティーブを初めて聴いたのは『チック・コリア/フレンズ』でした。2005年「PASIC」(打楽器芸術協会国際コンベンション)で紹介され意気投合,私がプロデュースした天草国際音楽祭「アイランド・マジック2007」に来てくれました。このときエディ・ゴメスがスティーブに「ミカのアルバムをプロデュースしたら?」スティーブが「Sure!」 2009年にスティーブにプロデュースを全て任せて『ミカリンバ』が完成。次作から二人でプロデュースしています。

—— スティーブから学んだことや二人に共通する音楽感は?

グルーヴ感やタイム感,マリンバをバンドサウンドの中で生かす術も学びました。彼は基本的に音数が多いのを好まず,「グルーヴが良ければ音色も良くなる」と言っています。マリンバとドラムのコンビネーションは正にその意味で気に入っていると思います。


※ミカ・ストルツマン,スティーブ・ガッド,塩谷哲による<イングリッシュマン・イン・ニューヨーク>のライブ映像を見る