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日本ルイ・アームストロング協会設立30周年記念感謝の集いが開催される

  • 2024年08月28日
  • NEWS

日本ルイ・アームストロング協会設立30周年記念感謝の集いが開催される
※30周年記念感謝の集いで演奏する外山夫妻とデキシーセインツ,中村誠一(sax,cl)のステージ

デキシーセインツの主宰者にして日本ルイ・アームストロング協会会長の外山喜雄が標題のパーティを7月6日(土)に上野精養軒で開催した。250人を超える参会者が集う盛会だった。
外山さんはサッチモに心酔するあまり,新婚間もない恵子夫人と共に1967年12月30日ニューオリンズへジャズ武者修行に旅立ったという根からの信奉者。外山夫妻の熱意によって1994年,サッチモの命日にあたる7月6日に協会は設立された。以来30年。最大の事業は“銃に代えて楽器を”のスローガンのもとに,850点の楽器をニューオリンズの子供たちに贈ったことだ。ある少年は「楽器がなければ別の人生だった」と感謝の言葉を述べている。この功績により夫妻は外務大臣表彰を授賞されている。
このほか外山夫妻の功績をもう一つあげておく。サッチモの音楽の正当的な評価の普及である。
夫妻がニューオリンズに旅立った1967年末。同年7月に亡くなったジョン・コルトレーン他のモダン派の芸術性が称揚される一方,サッチモのジャズは低俗な寄席芸能と理解されていた。油井正一ら評論家は是正しようと論陣を張ったが,これを実践的に根気強く梃入れし公正なサッチモ観を導き出したのが外山夫妻だ。
最後に当日の記念品として頂いた書籍「ルイ・アームストロングのことばと人生」から彼の言葉を引用する。
「わたしの演奏は芸術ではなく芸能だ」
この矛盾のなかにこそ最高のジャズがある。教えて頂いた外山夫妻に感謝申し上げる。(小針俊郎)