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Jazz in Hokutopia Vol.2 on Sept. 21, 2024

西口明宏(ts,ss)、馬場智章(ts)、陸悠(ts)の3テナーを擁した、”テナーズ・イン・カオス”、ブルックリンを拠点に活動していた日系人ギタリスト、アキラ・イシグロ、パトリック・バートリー(as)・クァルテットと、カッティング・エッジなラインナップによるホールライヴ

昨年6月に、東京都北区の文化複合施設、北とぴあで、ポーランドのマテウシュ・ガヴェンダ(p)・トリオ、馬場智章(ts)・ギャザリング、デイビッド・ブライアント(p)・フォー・リアルをフィーチャーして、Jazz in Hokutopiaは始まった。同ホールでは珍しいジャズ・フェスティヴァル企画だったが、好評を博し、今年Vol.2が挙行された。今回は、西口明宏(ts,ss)、馬場智章(ts)、陸悠(ts)の3テナーを擁した、”テナーズ・イン・カオス”、ニューヨーク、ブルックリンを拠点に活動していた日系人ギタリスト、アキラ・イシグロ、パトリック・バートリー(as)・クァルテットと、カッティング・エッジなラインナップが並んだ。

テナーズ・イン・カオス
※”テナーズ・イン・カオス”(写真提供 : 内藤プラニング)

トップ・バッターは、”テナーズ・イン・カオス”。3テナーを、デイビッド・ブライアント、須川崇志(b)、小田桐和寛(ds)がドライヴさせる。昨年リリースしたアルバムからのセレクションに加え、2つの新曲も並んだ。3テナーの分厚いユニゾンや、西口がソプラノ・サックスをプレイするアンサンブル、3人のしのぎを削るサックス・バトルが、スリリングだ。エンディングは、馬場のアレンジによる、ジョン・コルトレーン・クラシックの”ジャイアント・ステップス”。リズムに現代的なアプローチが加わったこの難曲を、軽々とプレイしてオープニング・セットを締めた。

アキラ・イシグロ・グループ
※アキラ・イシグロ(g)・グループ(写真提供 : 内藤プラニング)

続いての登場は、アキラ・イシグロ・グループだ。オープニングに引き続き、デイビッド・ブライアント、マーティ・ホロベック(b)、ジーン・ジャクソン(ds)と、ブルックリンからやってきたイシグロと、在東京の海外出身アーティストのトリオの、スペシャル・グループだ。イシグロのオリジナル、ブルックリンを拠点に活躍するクリス・チーク(ts)のカヴァー、斬新なアレンジのスタンダードをプレイする。ユニットは、4人の並存から、イシグロの繊細なギター・プレイを、3人が絶妙にサポートし、一体感を獲得していく過程が、見事に描かれていた。

パトリック・バートリー・クァルテット
※パトリック・バートリー(as)・クァルテット(写真提供 : 内藤プラニング)

トリを飾ったのは、パトリック・バートリー・クァルテットだ。彼のユニット”ドリーム・ウィーバー”から、井上銘(g)が抜けた、末永尚史(p)、伊藤勇司(b)、木村紘(ds)という編成だ。激しいパワー・プレイで、1時間ほどのステージを一気に駆け抜けて、Jazz in Hokutopia Vol.2をエンディングへと導いた。次回のVol.3は、現代の東京のジャズから選りすぐった、どのようなロースターが揃うのか。期待される。