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YUCCO MILLER × H ZETTRIO LINK ユッコ・ミラー × H ZETTRIO 異彩と個性が激突する最強コラボ

YUCCO MILLER × H ZETTRIO  LINK
※10月5日,H ZETTRIOの横浜ベイホール オールスタンディングライブにサプライズ出演した熱演を繰り広げたユッコ・ミラー。写真奥はH ZETT M(p,key) 撮影:Yuta Ito

日本のジャズ界で異彩を放つサックス奏者ユッコ・ミラーが,唯一無二の音楽性を持つH ZETTRIOとタッグを組み,新作アルバム『LINK』を発表した。PE’Z時代から憧れていた彼らとの奇跡のコラボで,両者の個性が相互にリンクし合い,聴く者の心を揺さぶるスリリングなサウンドに仕上がっている。息もつかせぬ疾走感と深みのあるメロディに新たな感情が吹き込まれ,まさにジャンルの垣根を超えた至高の音楽体験がここに実現した。

インタビュー/文:伊藤嘉章

ユッコ・ミラーとH ZETTRIO(エイチ ゼットリオ)とのコラボ作品のニュースが飛び込んできた。本当に?それ最高の組み合わせじゃないですか!と思わず反応した。
圧倒的なグルーヴが迫り艶やかで身体を揺らす音からストレートアヘッドなジャズまで聴き手を熱く喚起させる実力派サックス奏者ユッコ・ミラー。その相手が一糸乱れぬ強烈な疾走感とアンサンブル,ジャズのスピリッツとR&B,ゴスペルからラテンも繰り出す懐の深さ,冷静さとユーモアに秘めた凶暴さで唯一無二のH ZETTRIOというマッチングだからだ。
スピードとキレの良さの相性は疑いもない一級の組み合わせ。両者の個性的で異なる「熱感」が出会うと音は如何に?とワクワクしながら聴いた作品はタイトでスリリング。加えて個性が重なり繋がる新しさはユッコ・ミラーの世界を大きく広げ思わず「かっこいい!」と喝采した。
彼女の作品が5曲,H ZETTRIOのピアニストMが5曲というアルバムのタイトルは『LINK』。全曲H ZETTRIOがアレンジしユッコ・ミラーがH ZETTRIOサウンドの上で思い切り吹きまくる。彼女の新たな表現の昇華と共にH ZETTRIOが彼女の情感を得て新しい響きを生んでいるのも新鮮。まさに両者の音楽性が「LINK」している。そもそも今回の作品に繋がる最初の「LINK」はどこにあったのだろう。

PE’Zファンだった高校時代の夢が実現,奇跡のコラボが誕生

「高校生の時にPE‘Z(H ZETTRIOのメンバーが在籍)の大ファンだったんです。新作を考えていた時にまたPE’Zを聴いたらやっぱりかっこいい!ダメ元でH ZETTRIOさんにお願いしたら奇跡的に受けて頂いて..」(ユッコ・ミラー。以下Y)。
一方H ZETTRIOのメンバーは彼女が2017年のテラス・マーティン(as,vo,etc)の日本公演アンコ-ルで共演したステージを鮮烈に記憶していた。
「本当にカッコよかった。スコーンと来る音で」(M),「堂々としていてすごいなあと」(NIRE(ベース)。以下N),「テラス・マーティン食ってたよね(笑)」(KOU(ドラム)。以下K)と絶賛だ。
7月の末にコラボが決まり曲作り,リハーサルそして9月末には録音とスピード感ある進行だったのは双方が相手のイメージをしっかり持っていたからだろう。どんな風に曲と作品は作られて行ったのか。
「最初の顔合わせ時に既に一曲作って下さっていて私も作った曲を聴いてもらって。とにかくH ZETTRIOさんがカッコいいんで,そのカラーをたっぷり入れて欲しいとアレンジを全てお願いしました。録音前にはある程度アレンジを頂いたので,それを聴きイメージ作りをしたんですがスピード感たっぷりの曲もあり暖かい曲もあり,すごくうれしくて」(Y)
「デモ音源で既に良いものが出来そうだと思いました。そしてリハでもうばっちりだった。すごいな,もう仕上がってるなって思って頑張って追いつきました(笑)それから我々の弦楽器,鍵盤,打楽器に無い管楽器のニュアンスを伝える曲になっていると思いました。」(N)
「録音する前に仕上がっている(笑)これはきっとお話頂いた時点で仕上がっていたんじゃないかと(笑)」(M)
「一緒にやると話を聴いた時,我々は鼻の色を赤・青・銀でやっているのでユッコさんのピンクを混ぜたら何色になるんだろうと思って(笑)」(K)

LINK
『LINK』(King)

▼ユッコ・ミラーのYouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/@Yucco-Miller

▼H ZETT CHANNEL
https://www.youtube.com/channel/UCn-CFRcCkp03U8Xw0_XufdA