The Shape of Jazz Media to come.



Soundtypeが切り開くピアノ・トリオの新地平 ジャズをコアにしながらも,その境界を大きく超える ボーダーレスなサウンド。そこに込めた三人の思いとは?

SUB2
※Soundtypeメンバー左から大津惇(ds),河野祐亮(p),小美濃悠太(b)

インタビュー/文:伊藤嘉章

『Soundtype』のユニット名が記された鮮やかなジャケットにわくわくしながら音を聴き18曲が詰まったアルバムの瑞々しい多彩さに驚いた。NYの名門ニュー・スクールで学び,サッポロシティジャズでグランプリ受賞,欧州公演など活躍のピアニスト河野祐亮,自己のユニットでコペンハーゲン・ジャズ・フェスティバルから台湾公演まで世界でその名を知られるベースの小美濃悠太,デトロイト育ちでジャズ/ゴスペル/R&Bなど柔軟なビート感覚でドラムからサウンドメイクまで手掛ける大津惇という3人のユニットのデビュー盤は刺激と躍動感に満ちている。
その音は色々な意味でボーダーレスだ。ジャズを共通の芯に置きながら3人の異なる音はその境界を越え,録音は時に国境を越え,制作はユニットの配信視聴者のヴォイスも取り込むリアルとオンラインの越境という様々に境界を越えた今が詰まった音とも言えるだろう。ゲストにはナッシュヴィル出身ゴスペル・ルーツのクロエ・キブル(vo),実力派ラッパー掌幻,山下達郎のユニットなどでも活躍の宮里陽太(sax),若手の俊英寺久保伶矢(tp)とseiyA (g)やKOTETSU(vo)が参加、そのボーダーを越える多様な音がアルバムカラーに集約されるところも聴き所だ。
1曲を除き3人のオリジナル。大津がサウンドメイクやミックスを行った多様なレイヤーの面白さと浮かび上がるトリオの本質的個性に魅せられる。ユニットの起点からアルバムまでのお話を伺った。

「コロナの頃, 各自配信をやっていた3人が集まりセッション配信をやってみたんです。ジャズって自由だと言いながら結構固定観念がある音楽だなって思ってたので,全然違う3人がそろえばいやでもはみ出すんじゃないかって。これが面白くてユニットに繋がりました。」(河野)

jake
『Soundtype』(Praywright)

▼『Soundtype』 音楽サービスを選ぶ
https://playwright.lnk.to/soundtype