日本を代表するジャズ・ピアニスト,今田勝が93歳で永眠
- 2025年06月19日
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※今田勝(p)
日本を代表するジャズ・ピアニストの1人,今田勝が5月30日に93歳で逝去した。今田は1932年3月21日に東京で生まれ,若い頃,クラシック・ピアノのレッスンを受け,在学中に学生バンドでジャズを演奏。大学卒業後,ビジネスマンとなって1年間仕事した後,愛するジャズのピアニストとしての道を追求することを決心。クラリネット奏者の大家,北村英治のバンドの一員となった。1964年から自身のトリオを率い,1970年代からはジャズ・フェスティバルで,国内外の舞台で精力的に演奏を行ってきた。1984年にフュージョン・バンドの「NOWIN(ナウイン)」を結成。リーダー作を多数発表し,『ソロ・ピアノ』や,ジョージ・ムラーツ(b),ビリー・ハート(ds)との『ソングス・オン・マイ・マインド』,フュージョンサウンドが心地良い『ミント・ブリーズ』など,幾多の名作を生み,それらの作品は世界中のジャズファンに今もなお愛され続けている。ストレートアヘッドな演奏はもちろん,フュージョンやブラジル音楽にも果敢に取り組み,柔軟なスタイルで日本のジャズシーンを常にリードしてきた開拓者としての功績はこれからも語り継がれるだろう。(小島良太)