Yucco Miller Talkin’bout Jazz Audio ユッコ・ミラー×土方久明 パラダイム Founder 40B,Persona Bを聴く現代スピーカー屈指の再現力が引き出した“楽器本来の音”
- 2024年12月11日
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※ユッコ・ミラーとParadigm Founderシリーズ。左からFounder 40B,Founder 80F,Founder 100F。豊富なカラーバリエーションも魅力の一つだ
ミュージシャンにとって最高の音を聴いてもらう場はライブには違いないが,そのライブ=生音に限りなく近い音を再現できるスピーカーがあったなら,それは自身の音楽を聴く新たな喜びに繋がるはず。今回は最先端の音響技術で限りなく生音に近い再生音を実現,国際的に高い評価を得ているカナダのスピーカーブランド,パラダイムの2モデルを,H ZETTRIOとのコラボ新作で話題沸騰中のサックス奏者,ユッコ・ミラーが試聴,気鋭のオーディオ評論家,土方久明氏とともにその驚くべきサウンドを実感してもらった。
写真:矢部志保
その音楽を通して演奏者が聴き手に伝えたかったことや真髄が心に入ってくるような感覚で,思わず鳥肌が立ちました
文:ユッコ・ミラー
日毎に寒さがつのる11月初旬,僕は横浜にあるオーディオ輸入商社PDNの試聴室にいた。今日はカナダのオーディオメーカーパラダイム(Paradigm)のスピーカーでアルトサックス奏者,ユッコ・ミラーさんとJazzを浴びるように聴く日だ。彼女が入室した瞬間,部屋の雰囲気が変わった。明るいピンク色の髪がトレードマークで,ポップでカラフルなビジュアルやパワフルな演奏が魅力のアーティストはその場の雰囲気を変える不思議な力があるように感じた。そして今日はそんな彼女がH ZETTRIOとコラボした新アルバム「LINK」を持ってきてくれた。
パラダイムは1982年に設立され北米のオーディオ市場で広く認知されていたが,日本参入後は日本のオーディオ愛好家や評論家から高い評価を受けている。(僕の周りでパラダイムを使っている人は新旧のジャズ好きが多い)パラダイムには「音そのものを再現する」という哲学があり,音場の正確さ,周波数特性,クリアなサウンドの提供が重視されている。つまりワイドレンジで音数が多く,楽器の質感表現や音色の描き分けが求められる現代のジャズ再生とも相性が良い。
彼女と最初に聴いたスピーカーは,同社のミドルからハイエンドクラスに属する「Founder(ファウンダー)」シリーズの2ウェイ・バスレフ型スピーカー「Founder 40B」だ。CD(ハイレゾ音源もリリースされるとのこと)をエソテリックのSACD/CDプレーヤーのトレイに置き,再生ボタンを押す。「Scent of the Day」は,暖かく色彩感があるアルトサックスの音色を官能的に表現してメロディアスに聞こえる,次に聴いた「Dragon Funk」にはインパクトを感じた。H ZETT Mのピアノ,H ZETT NIREのベース,H ZETT KOUのドラムが眼前に空間を構成し,そこにユッコ・ミラーさんのサックスが浮かび上がる。中低域を担当する超高剛性のAL-MAGユニットと高音域を担当する25mmのアルミニウム・マグネシウム・セラミック (AL-MAC™)ドームツイーターの再生能力は高く,各楽器が融合しつつエネルギッシュなグルーブで聴かせてくれる。
▼この取材の模様を収録した動画「オーディオ伝道師 海苔屋のマッシー」がパラダイムのスピーカーを聴く・ジャズイン取材同行第3弾(約25分)