BILL EVANS,WES MONTGOMERY,LES MCCANNCAL,TJADER,AHMAD JAMAL 発掘王ゼブ・フェルドマン 来日インタビュー
- 2023年11月21日
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モダン・ジャズ巨人たちの知られざるライブ音源5作が一挙リリース
今年も秋のレコード・ストア・デイ(RSD,11月24日)に合わせて,名発掘プロデューサー,ゼブ・フェルドマンの手になる5点のアルバムがLPとCDでリリースされる。これまでにも多くの歴史的音源や,あっと驚くような作品を多く送り出してきたゼブ氏であるが,今回も聴き逃すことのできないものばかり。そんなリリースに向けての思いを,来日したゼブ氏自身の口から語ってもらった。
文:岡崎正通
インタビュー中のゼブ・フェルドマン(写真:平野聡)
ゼブ・フェルドマン(以下Zev) 日本に来るのは3年ぶりなのですが,じつはパンデミックの間も,とても忙しかったんですよ。クリエイティブなプロジェクトに集中できたと思うし,自分にとってはいちばん充実した,実りの多い時期だったと言えるかもしれない。
-まずはビル・エバンス・トリオの『Tales』。すでに多くのエバンス・テープの発掘をおこなってきたゼブさんですが,この作品に賭ける思いから話してください。
Zev これは1964年,ビル・エバンス・トリオがおこなった最初のヨーロッパ・ツアーのときに,コペンハーゲン録音されたもので,6曲が“ラジオハウス”でのスタジオ・セッション,4曲がライブ。いずれもデンマークの国営放送局が録音して保有していたもので,すべて未発表,新発見のドキュメントです。
-このときのツアーの音源としてはスウェーデンのシンガー,モニカ・ゼッタールンドと共演したアルバムが出ているが,肝心のトリオ演奏については,ほとんど知られていなかった。これはモニカとの録音の直前に収録されたものですね。
Zev ベースのチャック・イスラエル,ドラマーのラリー・バンカーとのコンビネイションがとてもいいんだ。このトリオには優雅な一体感がある。<マイ・フーリッシュ・ハート>や<ワルツ・フォー・デビー>の,このトリオ・バージョンも入っている。このトリオが成熟を迎えていた時期のもので,エヴァンスの弾き出すフレーズもほんとうに温かくて美しい。
テイルズ – ライブ・イン・コペンハーゲン(1964)/ビル・エバンス(Elemental Music/King International)
マキシマム・スウィング/ウェス・モンゴメリー&ウィントン・ケリー・トリオ(Resonance/King International)
ネヴァー・ア・ダル・モーメント! ライヴ・フロム・コースト・トゥ・コースト 1966-1967/レス・マッキャン(Resonance/King International)
エメラルド・シティ・ナイツ – ライヴ・アット・ザ・ペントハウス(1966-1968) Vol. 3/アーマッド・ジャマル(Jazz Detective/King International)
キャッチ・ザ・グルーヴ・ライヴ・アット・ザ・ペントハウス 1963-1967/カル・ジェイダー(Jazz Detective/King International)