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New York Jazz Walk Update〜NYジャズ・シーン最新レポート

今、再び躍動し始めたニューヨークのジャズ・シーン。パンデミック下で一部の店がクローズしたにもかかわらず,新しいクラブやバーが次々と現れ,活気溢れるニューヨークの街が戻ってきた。栄枯盛衰を繰り返しながら,その底力と多様性を礎にアメリカン・ジャズの中枢を支えてきたニューヨーク・ジャズ・シーン。新たな才能が育ち,クリエイティブなエネルギーが渦巻くニューヨーク・ジャズの最先端を,写真家・音楽ライターの常盤武彦氏がレポートする。

文/写真:常盤武彦

New York Jazz Walk Update〜NYジャズ・シーン最新レポート
ジョー・ロバーノ(ts)(Photo by Takehiko Tokiwa)

今年も8月の終わりに1週間ほど,ニューヨークに滞在した。2017年春に,1988年からの29年のニューヨーク生活をたたんで帰国してからも,パンデミックの2020年,21年を除き,毎年8月の終わりにニューヨークを訪れ,9月の最初の週末にデトロイトに向かい,デトロイト・ジャズ・フェスティヴァルの撮影と,日本のジャズ・フェスティヴァルとの交流プロジェクトのコーディネーションを行う。今年は,さらにニューオリンズへの旅も加わり,エキサイティングな体験ができた。昨年は2019年以来3年ぶりのニューヨーク訪問で,パンデミック後の再起するジャズ・シーンを,新たなジャズ・クラブや,8月の最終週末のチャーリー・パーカー・ジャズ・フェスティヴァルの撮影取材を通して実感できた。と同時に,高騰する物価にも驚かされた。
ニューヨークのジャズ・クラブは,パンデミック下で,“ジャズ・スタンダード”,“55 Bar”やハーレムの名物店”ショーマンズ”などがクローズしたが,マンハッタン,ブルックリンにも新たな店がオープンし,シーンを形成している。栄枯盛衰はあれど,トータルのジャズ・クラブの数は,あまり大きくは変わらないのがニューヨーク・ジャズの底力と言える。

New York Jazz Walk Update〜NYジャズ・シーン最新レポート
ニコラス・ペイトン(tp)(Photo by Takehiko Tokiwa)