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世界的ヴィブラフォン奏者 赤松敏弘が紡ぐ インプロヴィゼーションの奇跡 その音楽的原点にあるもの

ジャズ界において異彩を放つ世界的ヴィブラフォン奏者,赤松敏弘。赤松が設立したAMSレコードの第1弾として『マイ・リアルブック~シーズン1&2』がリリースされた。本作は,即興演奏を追求する赤松が音楽的な原点に立ち戻った作品であり,前半は長年共演するピアノのハクエイ・キムとトランペットの市原ひかりとのユニット,後半は気鋭ピアニスト望月慎一郎とのセッションを収録。異なる世代のジャズ・ミュージシャンを積極的に起用し,即興演奏の本質と多様性を探求し続ける赤松に話を伺った。

インタビュー・文:高井信成

世界的ヴィブラフォン奏者 赤松敏弘が紡ぐ インプロヴィゼーションの奇跡 その音楽的原点にあるもの
Photo by Hiro Yamaguchi

今,世界で最も傾聴をオススメしたいヴィブラフォン奏者は赤松敏弘である。いや,ヴィブラフォンに限る話ではない。最も傾聴すべきジャズ・アーティストの一人が赤松敏弘なのである。赤松は「AMS」(アムズ)レーベルを発足し,その第1弾としてアルバム『マイ・リアルブック~シーズン1&2』を発表した。通算17枚目の作品だ。彼は新作にこんなコメントを寄せている。
「音楽家として自分がなぜジャズを好きになったのかという原点に戻ってみるとその答えに行き着きました。“即興演奏”です。即興演奏がしたくてジャズにのめり込んだのです。どんなフォームであっても即興演奏できること,それが自分で作るジャズ。それを今回のアルバムで具現化して楽しんでもらおうと思っています」
ジャズ・ヴァイブの第一人者が,「即興演奏」の魅力や奥深さを改めて知る。その道を探求してきたからこそ見えてくるものがあるのだろう。