The Shape of Jazz Media to come.



現代ECMを体現する二人のピアニスト① Nitai Hershkovits

イスラエルから未来への希望を紡ぐ ニタイ・ハーシュコビッツ
ECMデビュー作『コール・オン・ジ・オールド・ワイズ』を語る

静謐さと立体的な“動”が共存するニタイ・ハーシュコビッツのECMデビュー作『コール・オン・ジ・オールド・ワイズ』。先月のイスラエル特集に続き,アルバム制作の経緯からマンフレッド・アイヒャーとの制作裏話まで,驚きのプロセスがいま,解き明かされる。「音楽を通じて人々の心を結び,ポジティブな感情を届けたい」と語るニタイ。その強い信念は,彼の音楽が持つ力と共に,世界中に響き渡る。

インタビュー/文:落合真理

Nitai Hershkovits
©Hila Chen/ECM Records

コール・オン・ジ・オールド・ワイズ
『コール・オン・ジ・オールド・ワイズ』(ECM)

ニタイ・ハーシュコビッツは,この戦禍の中,音楽で人々の心を結び,希望を紡ぎ続けている。先月号の樋口義彦・陽子氏によるイスラエル特集で語られたように,同志ダニエル・ドール(ds,アビシャイ・コーエン・トリオで共にレギュラーメンバーを務めた)とのプロジェクトの他,様々なバンドを抱える彼が,このたびECMから初のソロ・ピアノ作品『コール・オン・ジ・オールド・ワイズ』をリリースした。どこまでも静謐でありながら,立体的な“動”が共存する『ジ・オールド・ワイズ』。「音楽こそ希望」と断言するニタイが,その本質と胸の内を打ち明けてくれた。