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Stacey Kent Summer Me,Winter Me ステイシー・ケント 心の扉を開く新作 『サマー・ミー、ウィンター・ミー』 その独自の表現と世界観に迫る

新作『サマー・ミー、ウィンター・ミー』を携え,年明けのブルーノート公演を成功させたステイシー・ケント。 心療内科医で作家・ジャズシンガーの海原純子が,ステイシーのライブに込められた特別な瞬間や思い,新曲の舞台裏や異なる言語での歌唱に焦点を当てる。また作家カズオ・イシグロとのコラボレーションや,異国での疎外感が彼女の深層心理と音楽に,どう影響を与えているのか解き明かしてゆく。ステイシー・ケントの独自の表現と心の深みに迫り,音楽が聴く者と共鳴してゆく様が浮かび上がってくる対話

インタビュー/文:海原純子

2年ぶりのニューアルバム『サマー・ミー、ウィンター・ミー』を昨年11月にリリース。世界ツアーの最終地にブルーノート東京で4日間の公演を行ったステイシー・ケントさんをすべての公演が終了した2024年1月8日にキングレコード本社で取材した。筆者はステイシーさんの大ファンでほとんどすべての来日公演を聴いており,お聞きしたいことがたくさんあり楽しみな取材だった。夫のジムさんと仲良くタクシーでキングレコードに到着したステイシーさんは社の入り口でにこやかにまずジムさんと記念撮影。

海原(以下U) よろしくお願いいたします。今回のツアーはニューアルバムのリリースツアーで東京が最終,新年4日間という素晴らしいライブでしたね。

Stacey (以下S) 昨年暮れで終了にすれば休めたけど,ブルーノートから今年の幕開けという特別な日にぜひやりませんか,というお誘いがあり決めました。とても濃密な時間でした。新年の鏡開きの行事もしたんですよ。

ステイシー・ケント
※ステイシー・ケント(vo) © Benoit Peverelli

サマー・ミー、ウィンター・ミー
『サマー・ミー、ウィンター・ミー』(naïve/King International)