The Shape of Jazz Media to come.



Live Report 有安杏果 Jazz Note 2024

有安杏果という新たなジャズ・ヒロインが誕生した。グループ活動を経て,現在はシンガーソングライターとして活躍している彼女は楽器演奏や語学習得などストイックに自らを高め,ついに念願のビルボードライブにて自身初となるジャズ・コンサートを開催した。有安のジャズをサポートする大林武司との今後のプロジェクトにも期待が高まるステージをリポートする。

文:西原真志/写真提供:Apricot Music Records

Live Report 有安杏果 Jazz Note 2024

「何度も重ねてきたコンサートはもちろん,映画やドラマなど,これまではしっかりと決まり事の中で一生懸命に表現してきました。でも,ジャズは違うんです。台本はないし,いつも違う。それはとても難しいことですが,でも,だからこそ本当に楽しいし気持ちいい。まだまだこれから勉強で,もっともっとジャズを追求していきたいと思っています」

自身初めてとなるジャズ・コンサート,その名も《Jazz Note》のステージを成功裏に終えた有安杏果は,ライヴ後すぐのバックヤードで筆者の問いかけに,力強くも謙虚にそう語ってくれた。
2009年より,ももいろクローバーZのメンバーとして世の中を席巻し,2018年からはソロ活動を本格化。楽器演奏や語学習得などストイックに自らを高めながら,音楽的にも幅広いアプローチを試みてきた。その中で彼女にとって大きな方向性として現れたのがジャズで,今回のライヴでは一つの到達点を示す形となった。