Junko Makiyama Classical Trio 2 牧山純子 クラシックで深化するジャズ・ヴァイオリンの真髄

ヴァイオリニストの牧山純子が待望の新作『Classical Trio 2』を発表した。今回は原田達也(p)，中林成爾(cello)に加え，新たにドラムとパーカッションの岡本健太を迎え，ジャズとクラシックの融合をさらなる高みへと導く。オリジナル曲も取り入れたアルバムの聴きどころは，絶妙なアレンジ，特にラヴェルの「ボレロ」では途中5拍子に変化し，映画音楽やあの有名ジャズ曲を取り入れたスリリングな展開が聴きもの。優美にして躍動する音世界を彼女の言葉とともに紐解いてみよう。

インタビュー／文：櫻井隆章

ヴァイオリニストの牧山純子が新作を完成させた。前作『Classical Trio』に続く，『Classical Trio 2』である。文字通り，前作の延長線にある作品なのだろうか？　今回も前作と同じく，ピアノに原田達也，チェロに中林成爾。でも今回は，ドラムとパーカッションに岡本健太が加わった。全12曲中，5曲でプレイしている。牧山本人に話を聞いた。

「チェロの中林君とは，音大の同期で18歳の頃から知っていたんです。原田さんは別の音大だったんですけど，聞いてみると同じく同期だったんですよ。なので，“同級生トリオ”と呼んでます。私，普段は先輩達と演奏することが多かったので，どうしても先輩達から何かを勉強するとか，教えて戴くということになっていたんですね。でもCDデビュー10周年に自分で舵を取る機会をいただきまして。で，その後いろいろなジャンルとの融合を続けていたのですが、原点に戻ってクラシックに挑戦するのもありかなと思ったんです。私，昔からヨーロピアン・ジャズ・トリオが大好きで，それの日本版が出来ないかと。ジャズとクラシックとを融合させれば面白いことが出来るのではと思いました。クラシックの曲をジャズ・アレンジして演奏すると，お客様にとても受けるんですね。凄く喜んで下さる。それがとても嬉しかったし，だったらそれでアルバムを作るのもありだな，と思いました。アルバム・タイトルに『クラシック』という言葉が付いているせいか，本来はジャズを演奏する場所ではないところでプレイする機会も増えましたね。それも，とても刺激になりました」

『Classical Trio 2』（HD Impression）