The Shape of Jazz Media to come.



大使館主催の《スウェディッシュ・ジャズ・ナイト》が“BODY&SOUL”で開催

  • 2024年06月24日
  • NEWS

昨年ラーシュ・ヤンソン,ウルフ・ワケニウス,イザベラ・ラングレンらで第1回を成功裏に終えた《スウェーデン・ジャズ・ウィーク》。その第2回が5月29日から31日の3日間,都内で開催された。今回のプログラムは,ペーター・アスプルンド(tp)“アスピレーション”,カリン・ハマー(tb),エマリーサ・ハランダー(vo)を主要ミュージシャンとしてスケジュールを編成。その後,6月2日にスウェーデン大使館主催の関係者向けイベント《スウェディッシュ・ジャズ・ナイト》が,渋谷“BODY & SOUL”で行われた。来日ミュージシャン全員が出演するのは,29日の丸の内“コットンクラブ”公演がそうだったが,その時とはセットリストと趣向が異なり,招待客が自由に歓談する中で,アスプルンドのオーガナイズにより数回の休憩時間をはさみながらステージが進行した。
冒頭で挨拶した駐日大使はジャズ・ファンで,夫人がプロのジャズ・ボーカリストということで,近々任期を終える大使にとって最後のビッグ・イベントとなった。ステージはアスピレ-ションのリズム隊であるフィリップ・エケスチューベ(p)・トリオによる〈ハウ・アバウト・ユー〉で開幕。アスプルンドが加わった〈エブリシング・アイ・ラブ〉でアメリカン・スタンダードへの深い理解と愛情を表現すると,自身のボーカル・スキルも披露した。今回のラインアップで要注目だったのが初来日のエマリーサで,ジャズ・ボーカルのエッセンスを体得し,清涼感とスキャットを得意とする技巧を個性とする24歳は,〈イエスタデイズ〉等で,将来性の豊かさを実証した。米国産ジャズへのリスペクトに関しては,ハマーの〈セブン・ステップス・トゥ・ヘブン〉にも同じことが言えよう。日本在住のスウェーデン人テナー奏者も加わって,オールスターズが揃ったステージでフィナーレに。通例ではライブの後に飲食・歓談タイムが設定される大使館でのイベントは,改修工事中のため今回はジャズクラブを会場とした。それが予想以上にインティメイトな雰囲気を生み,すべての人々が多幸感に包まれたことを特筆したい。(杉田宏樹)