The Shape of Jazz Media to come.



飯田ジャズスクール70周年記念ライヴ第二弾が“B-flat”で開催される

  • 2025年10月23日
  • NEWS


※記念ライヴ後の集合写真

今年で創立70周年を迎えた飯田ジャズスクール。7月には同校でアンサンブルを学んだ海野雅威と,特任講師を務める宮本貴奈によるピアノの共演を中心にしたコンサートを主催したが,9月15日に赤坂“B-flat”にてその第二弾として,生徒と講師が集まり70周年を祝った。前半は生徒のアンサンブル,後半は講師陣によるスペシャルなプログラムという構成で,トータル8時間を超える長丁場となったが,終始アットホームで楽しい雰囲気に満ちた会となった。
演奏前に出演者のちょっとしたエピソードを紹介,演奏後はステージをともにした演奏者同士が握手を交わし,会場全体が交流の場となっており,同校の雰囲気をよく表していた。現存するジャズスクールでは日本でもっとも古い存在となる同校だが,個人技を研鑽しながら,人と人が紡ぐ,ジャズの本質的な部分もよく表しており,ジャズの伝統と人の繋がりも大切に歩んできた70年であったことがよくわかる。
一方で講師の演奏はより白熱。飯田ジャズスクールで教える講師全員が揃ったわけではなかったが,豪華なメンバーが並び,色々と趣向を凝らしたアンサンブルで楽しませた。ステージで演奏を始めると,なぜかそれぞれのシルエットが大きく見えるような迫力もあり,最終的な演奏時間はかなり押したが,あっという間に終わってしまった印象もあり,時間を忘れるようなステージを展開した。
2代目である現学長の飯田敏夫氏はこの日,ヴォーカリストとして活躍中で同校で講師も務める娘の飯田さつき氏へ学長の座を,経営はその兄である飯田多聞氏へと,引き継ぐことを発表。ともに70年の歴史を紡いできた講師,そして生徒への感謝の言葉も交えて世代交代を宣言。その後に登場した飯田さつきが迫力のパフォーマンスを見せつつ,急に変わるのではなく少しずつの引き継ぎであることを補足,少しの笑いを生みつつ,安堵と,継承への希望も感じさせた。
多くのミュージシャンを輩出してきた飯田ジャズスクール。時代に合わせながら,ジャズを今後も新たな世代へと継承していく熱い想いと,今後のさらなる発展を期待させる記念コンサートらしい夜となった。(鈴木りゅうた)